【プロが徹底解説】看板の素材や種類を徹底紹介!最適な選び方
皆様 こんにちは!埼玉県の看板製作取付会社 樹サインです。
今回はサイン全般でよく使われる材料「素材」と「種類」について勉強したいと思います。
私たちプロが普段当たり前のように使っている素材も、よくよく考えてみると
「あれっ?これってどういうものだっけ?」 「この場所で使用しても大丈夫かな?」と
改めて考えることがあります。
ですので今回は私も勉強しながら、看板製作で使う素材の解説をしていきたいと思います。
今回紹介する素材がこちらです。
①樹脂:アクリル・ポリカーボネート 製作事例写真あり
②ステンレス鋼板の種類 製作事例写真あり
③亜鉛メッキ鋼板
④ボンデ鋼板
⑤カラー鋼板の種類
⑥アルミ複合版 製作事例写真あり
⑦木材:コンパネ・無垢材・集成材 製作事例写真あり
⑧看板で使用するシートの種類 製作事例あり
⑨まとめ
皆様も聞いたことあるものが多いと思いますが、一緒に勉強していきましょう。
目次
①看板素材、サイン制作で使用する樹脂/アクリルの種類
・樹脂
広範囲を差す物質になります。
透明な素材から顔料で色づけします。
看板で使用する主な素材を2つピックアップします
・アクリル
アクリルも化学的に合成された合成樹脂になります。
内照式の壁面看板・袖看板の面板に適した、3ミリか5ミリの薄めの板が多く使用されます。
一方でLED内蔵の樹脂文字は30mm前後の厚いアクリル板からNCルーターで加工します。
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・ポリカーボネート
略して「ポリカ」、アクリルよりも高額になります。
ハンマーでたたいても割れない強い耐久性を持ち、透過性もアクリルより優れています。
ところが傷が付きやすい材質なので、ウエスなどで清掃するときは傷が付きやすくなります。
通常のフィルムをポリカに貼ると、ポリカからガスが出て気泡となって現れる事があります。
ポリカ用のシートは種類も少なくお勧めできません。
シートは貼れないものと考えていただいた方が良いと思います。
その他にも、屋外では不向きなABS・塩ビ・PET、PLA樹脂含め様々な種類があります。
全て樹脂の一種と考えて問題ありません。
看板屋は扱う種類が多く覚えるのが大変です、
特性に応じて使用することが重要です。
看板制作の素材で使用する樹脂のメリットは?
樹脂はカラーバリエーションも多く、透明な素材もあり、周りと調和したデザインが可能です
特に屋内はデザインの自由度も高く、様々な形状で加工できます、素材もステンレスなどに比べ安価になり、塗装など、2次仕上げが不要な商品が多く安価に製作できます。
割れにくく、破片が飛び散るリスクが少ない為、安全に使用できる利点も良いです。
デメリットは?
樹脂は高温に弱い素材が多く、直射日光や高温環境下での使用は劣化や歪みができます
金属に比べ強度が落ちるので、大型の看板や強い負荷がかかる取付部品としては不向きになります、屋外看板の面板はアクリルではなくFFシートを使用する理由として、アクリルの歪みや劣化が早い為です、樹脂を屋外で使用するケースでは知識がある人が構造的な補強を加え設計する必要があります。
アクリル樹脂文字、LED文字などの事例 https://www.labori-sign.jp/work-data/
②看板素材、サイン制作で使用するステンレス鋼板の種類
この名前は誰もが聞いたことがあるかと思いますが、
耐食性に優れた鋼板で、錆びにくく、高い耐久性を持ちます。
屋外・屋内どちらも使用可能ですが屋外向けの素材になります。
HL(ヘアーライン)、鏡面、バイブレーション(VB)、2Bなど仕上げの種類により見え方も違います。
ゼネコンのように100年以上耐える建築が基準になる時、看板製作はステンレスを使用しますね。
素材の中では高額ですが耐久性が良いので間違いない素材です。
ゼネコンより発注いただいた
ステンレス2B板金+塗装仕上げの文字型自立看板事例
https://www.kanbanitsuki.com/works/complex/136/
サイン制作で使用する素材、ステンレス鋼板のメリットは?
誰もが一番先に思い浮かぶ、優れた耐久性です、建築業界でも多く使用するSUS306は錆びない素材とイメージあるかもしれませんが、正確には錆びにくい素材になります。沿岸など塩害対策で使用する素材は更に錆びにくいSUS316があり、海水に触れた環境下でも優れた耐久性の素材もあります。ディズニーランドの看板なども塩害対策の為SUS316が使用されております。
デメリットは?
ステンレス鋼板は、他の材料に比べ高額です。塗装仕上げなど2次工程が入る場合は、更に費用が高くなります。溶接加工や曲げ加工も熟練した技術者が必要になります。
HL(ヘアーライン)や鏡面など素地の状態で使用する時は、手垢や油が付くと目立ちますので清掃が必要です。
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③看板素材、亜鉛メッキ鋼板
この名前も聞いたことがあるかと思いますが、
鋼板を亜鉛でメッキ仕上げしたもののことを言います。
長期間錆と腐食から防ぐことができ、ステンレスより安価な素材です。
看板はほとんどの場合、シート貼りや焼付塗装などの仕上げ工程が必要になり
高額なステンレスHL(ヘアーライン)は素地仕上げと比較しても価格がさほど変わらないケースがあります。
素材が安くても仕上げ工程が増えるとコストも上がるという事ですね。
建築物の中に入る店舗系などの看板はほとんど亜鉛鋼板が主流です。看板も10年使用したら新しくしたいですよね!
イニシャルコストを抑えたいとき最適で、屋外・屋内共に使用されていますしもちろん10年以上持ちます。
サイン制作で使用する素材、亜鉛メッキ鋼板のメリットは?
安価なコストで耐久性の高い素材です。ステンレス鋼板の半分以下の単価の為、製造コストが低いが耐久性も高いため、長期間にわたり性能を維持します。まだまだ認知度が低い亜鉛鋼板ですが、プロが推奨する看板の素材になります。
デメリットは?
鈑金素材で一番溶接が難しい素材になります。溶接部は亜鉛メッキを剥がす必要があり、経験と技術が必要なのです…傷や切断面からは錆びるリスクもあるので、錆止め塗装など適切に処理する必要があります。亜鉛メッキでの製造工程では化学薬品を使用しているので、適切な取り扱いが必要になります。
④看板素材、サイン制作で使用するボンデ鋼板
続いては「ボンデ鋼板」です。ボンデ鋼板とは、亜鉛メッキの膜厚を薄く施した鋼板のこと。
化学的な防食処理を施した鋼板ですが耐候性といった面では劣ってしまいます。
ステンレス・亜鉛鋼板・ボンデ鋼板の中では一番安価な素材です。外部での使用は比較的劣化が早く錆が出ますので向いておりません。ゼネコンさんも屋内では使用しますし、加工性にも優れております。
※なるべく屋内用の素材として推奨します。
看板制作の素材で使用するボンデ鋼板のメリットは?
素材が安価で溶接や曲げ加工などの取扱いにも優しい素材なので、様々な形状の加工に向いてます。塗装の密着性も高く、ステンレスや亜鉛鋼板に比べて剝がれにくい特性があります。
デメリットは?
薄く亜鉛メッキの塗膜処理はされておりますが、他の鋼板に比べて耐久性は短く屋外で使用する場合は錆止め処理が必須です。加工するには、こちらも知識と経験が必要な素材です。
⑤看板素材、サイン制作で使用するカラー鋼板の種類
カラー鋼板とは、塗装を施している板金の種類の事を呼びます。看板屋でよく使用する色はホワイトが多く、現在はアルミ複合板の復旧と共に需要が減ってきました。ただアルミ複合板ではできない曲げ加工ができるので、看板の額縁やパーツなどにうまく活用することができます。
看板業者が使用する素材、カラー鋼板のメリットは?
塗装仕上げの工程が省けるので納期、コストなど大幅に削減できるのが魅力、
色も選択できて、イメージカラーに合わせた使い分けが可能!艶消し・艶ありも選択できます。本来は外壁材で使用する素材の為、耐久性もよい。
デメリットは?
塗装仕上の板金の為、曲げる時や切断するときは養生が必要です。
取り扱いにはキズ防止対策が必要・薄い板が多いため溶接には不向きです。
⑥看板素材、アルミ複合板
続いてアルミ複合板です。
メーカーにより呼び方が変わります。
例えばアルポリックやアートパネル、AP(エーピー)板が良く使用される名称です。
他にもあるかもしれませんが全てアルミ複合板の事です。
芯材の発泡ポリエチレン樹脂をカラーアルミで上下からで挟んだ三層構造の板材のことで
看板用に作られたと言われるくらい、サインパネルに適した材料です。
折り曲げは出来ませんがサインパネルだけではなく、切文字に加工するなど様々なシーンで使用されてます。
安価・軽量でありながら十分な強度と、耐候性を有した板厚3ミリが定番で 屋外・屋内共に利用されます。
因みにスチール複合板もあり、マグネットなどが取り付けられる素材もあります。
サイン制作で使用する素材、アルミ複合板のメリットは?
アルミの軽さと強度を活かされた素材。
軽量でありながら耐久性が高く、紫外線や雨風が当たる屋外でも長期間使用できる素材です。
シート貼りとの相性が抜群!不燃タイプなどもあり、ボンデ鋼板より安価なのでコストパフォーマンスが高い。
デメリットは?
曲げ加工や接着加工ができないので、加工は不向きな素材です。また軟質の為、ビス固定する場合は大きな頭のビスを使用しないと外れるリスクがあります…そのためビス止めの跡が目立ち、視認性を低下する場合があります。
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⑦看板素材、木材の種類
一概に木材と言っても様々な素材があります、今回は看板で使用する主な素材を3つピックアップします。
・コンパネ
ベニヤ板を積み重ねて貼った少し厚い板。
合板の一つでコンクリートパネル略して「コンパネ」と呼ばれる有名なものがあります。
主に製品としてではなく、床の養生や・仮設材料・基礎の型枠・外壁の下地補強など活用方法が多くある素材です。看板業者は誰もが一度は使用したことがある材料です。
・無垢材
続いては無垢材です。
純粋に木をカット加工した板であり、「無垢」という言葉通りですね。
無垢材は何と言っても木の質感・表情がそのまま表現されるので、意匠的にはとても素晴らしい材料です。
代表的なサインは掘り込み看板などがあります。
ただ短手のサイズは限られてくる(直径が大きい木じゃないと駄目)のと、希少なので価格が高価です。
存在感抜群なのでお店の歴史や業種によりとても調和する材料です。
・集成材
続いては集成材です。
こちらはよくホームセンターなどで見かける材料ですが、
角材を何本も結合させた1枚の板という説明が一番わかりやすいかと思います。
集成材は無垢材に比べて安価でありサイズも幅広くあるので、色々なシーンで使えます。
ただ構造的にどうしても角材を結合させている見た目になってしまうため、内装屋さんなどのプロ目線では安っぽく見られてしまう傾向もあります…サインとして使用する分には使い勝手が良くコスト面でも優しい為、木材・木目がお好きな方にはおすすめです。
看板制作で使用する素材、木材のメリットは?
何と言っても自然な質感が魅力的です、温かみのある風合いがあるので看板全体に自然な魅力を伝えられます。
加工も比較的容易なので彫刻などで個性的な看板に仕上げる事も可能です。
木材は天然素材でありながら、素地としてトップクラスのビジュアルがあります。
デメリットは?
木材は金属や樹脂と比べて寿命が比較的短くなりますので、劣化しないような適切な処理が必要です。
美観を損なわないキシラデコールなどの防腐塗装や、傷がつきにくく長期間美観を損なわないクリア塗装など
専門的な知識が必要です。
⑧看板素材、サイン制作で使用するシートの種類
看板の仕上げに欠かせない塩ビシート、何種類あるか分からないほど多色ですね。皆さんが良く使用する単色シートだけではなく、木目などの柄系からメタリック、ガラスに張るグラデーションタイプ、データがあれば写真などもプリントできるインクジェット出力シートなど、今でも進化し続ける素材になります。
前述以外にも「蛍光色シート」や車の照明などに反射する「反射シート」、暗くなると発光する「蓄光シート」、昼間はシートの色だが内部より光が入ると白く発光する「デュアルカラーフィルム」、期間限定などシートを剝がす前提で使用する「再剥離シート」アスファルトや壁などのコンクリートに貼る、「ペイントシート」などなど種類が豊富の為、屋内用、屋外用など使用方法を間違えないように、使用場所に応じた正しい材料を選択しましょう。
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サイン制作で使用するシートのメリットは?
切文字やデザインカットなど加工が容易で手軽に扱える素材が多い、
比較的安価な種類が多く、バリエーション豊か。
デメリットは?
柄系など、屋外で使用するシートは退色・劣化する素材が多い
目線で使用する場合、シートのジョイント部分など繋ぎが目立つケースがある。
材料のロスが多い。
当社はアクリルから鋼板まで社内制作だからできる技術と進化があります、自社制作だから出来る提案で、低コスト・短納期・オーダーメイドでお客様のご要望にお応えします!
⑨まとめ
まだまだ看板の素材は色々なものがあり、用途・価格・使用場所などによって色々な使い方があります。
どんどん新たな材料も出てきますし、まだまだ勉強ですが、
材料を決める際にはデザイン的・構造的・コスト的など、充分に検討しながら適切な素材を選定していきましょう。
是非参考にしてみてください。最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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